夏の海とニキビの原因と対策【医師監修】
夏の大きな楽しみの1つが海のレジャーですね。しかし、気になるのは、海水や日光のニキビへの影響や、水着になったときに見える背中のニキビのこと。海水浴を思い切り楽しむためには、どのようなケアを心がければよいのかみていきましょう。
夏の海とニキビの関係は?対策や注意点について
海のレジャーで気を付けたい!ニキビの大敵“紫外線”
夏になると格段に増える紫外線。紫外線によるダメージは、肌の角質層から必要な水分や油分を奪い、肌のバリア機能を低下させます。バリア機能が低下した肌が紫外線を浴びると、防御のために角質を厚くします。この厚く硬くなった角質は角栓を作ったり毛穴を収縮させたりする原因となりやすく、毛穴が詰まることによるニキビができやすくなってしまいます。
また、皮膚は紫外線を浴びるとメラニン色素を作り、真皮までダメージが及ぶのを防ごうとします。そのため、炎症を起こしてバリア機能が低下したニキビの部分が色素沈着をおこし、シミになってしまうこともあるので注意が必要です。
紫外線対策を万全に
日焼け対策といえばやはり、日焼け止めの使用です。海のレジャーでは必ず日焼け止めを塗るようにしましょう。
注意したいのは、SPF値です。数値が高いほどよいと思われがちですが、SPF値が高すぎると肌への負担も大きくなります。SPF30程度までを目安に選びましょう。
ラッシュガードを着用して肌の露出を避けるのもおすすめです。UVカット機能のあるものや、着たままで水に入れるタイプも販売されているので、目的に合わせて選ぶことができます。
海水浴はニキビにいい?海水が肌に与える影響
海に入るとなると、ニキビへの海水の影響も気になるところ。海水浴は肌によいという説も聞かれますが、実際はどうなのでしょうか。
■海洋性ミネラルがニキビにいい?
海水には「海洋性ミネラル」と総称されるさまざまなミネラル成分が、豊富に含まれています。
この海洋性ミネラルのバランスは、人間の体のミネラルバランスに非常に近いとされており、そのため、海水浴は肌の状態を整えてくれるといわれることもあります。実際に、海水や海藻、海泥などを利用した、タラソテラピー(海洋療法)と呼ばれる心身の健康や美容のための療法も存在しています。
ニキビに関しても、海水に含まれる塩分やマグネシウムによる殺菌効果や抗炎症効果によって、軽減が期待できるといわれることもあるようです。
■海水は肌に負担となることも
では、ニキビの治療のために頻繁に海に入ればよいのか?というと、そうとは言い切れません。その理由は、海水の塩分濃度にあります。
海水は、人体に比べて約4倍もの塩分濃度があります。炎症を起こした肌はバリア機能が低下しているため、この濃い塩分は、肌への刺激になりかねません。
■海水浴後にはしっかりケアを
海水浴の後は、塩分が肌に付着した状態です。そのままにしておくと、肌が荒れる原因となってしまいます。
海水浴後はシャワーなどを使い、真水でしっかりと塩分を洗い流しましょう。また、少なからず紫外線を浴びた状態のため、保湿ケアも忘れずに。
水着になると気になる背中ニキビをしっかり対策
海のレジャーといえば水着ですが、大きく背中が見える水着姿で気になるのが、背中のニキビ。しっかりとケアをして、気がねなく水着を着こなしたいですね。
背中ニキビの予防や軽減のために、通常のニキビケアに加えて、次のようなことに気を付けましょう。
・肌着や寝具を清潔に保つ
背中ニキビの原因は、角栓で毛穴が詰まり、内部で細菌が繁殖すること。これを防ぐためには、背中を清潔に保つことが大切です。
毎日の入浴と洗浄はもちろんですが、直接肌に触れる肌着や寝具も清潔なものを使うように心がけましょう。
・シャンプーなどの肌残りに注意
洗髪をしたときのシャンプーやコンディショナーが背中に残り、その成分が毛穴を塞ぐケースもあります。頭→体の順に洗うなど、しっかりと背中を洗い流すよう意識しましょう。
・背中も紫外線対策を
衣服に隠れることが多く、紫外線対策を省きがちな背中ですが、紫外線は衣服を透過して背中にもダメージを与えています。
紫外線を通しやすい薄い色の衣服を避け、黒などの色を選ぶ、背中にも日焼け止めなどのUVケアをするといった対策をとりましょう。
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医師監修
オラクル美容皮膚科東京新宿院 直子医師 -
- 経歴
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2012年3月 北里大学医学部医学科 卒業
2012年4月 北里大学病院 勤務
その後、都内クリニックで研鑽を積む
2020年2月 アクネクリニック新宿院 院⻑となる
2024年 オラクル美容皮膚科 東京新宿院勤務
海のレジャーを思う存分楽しむためには、紫外線対策や海水浴後のケアが大切です。また、事前に背中ニキビをしっかりとケアして、きれいな背中で水着姿も楽しみたいですね。 もしも背中のニキビがセルフケアで改善しないときには、専門クリニックや皮膚科などを受診して、医師による治療を受けましょう。